カイラク - 2
計画を思いついたのは2週間前のこと。
何も起こらない日常。
進展のない生活。
平凡すぎる毎日に嫌気が差す。
そんなある日、突然閃いた。
日常を壊すストーリー。
主役はこの僕。
悪魔の囁きなんて安いものじゃない。
刺激が足りない中で生み出された名案。
それと同時に、プロットもすんなりと出来上がった。
標的にしたのは、2つ先の駅前にある、地元タウン誌で紹介される程度の雑貨店。
しかし、一度たりともこの店に入ったことがない。
そこはガラス張りのテナント。
外にいても、フロアの配置がよくわかる。
ゆったりと設けられた通路以外は、様々な種類の雑貨が整然と置かれている。
だからといって、お客に緊張感を与えているわけでもない。
空間利用術に長けた人間が設計したのだろう。
置かれているのは、明らかに女性が手にとって買って行きそうな商品ばかり。
お洒落と無縁な人間には、全く入る余地のない空気を匂わせている。
また、店員はバイトらしき若い女性が2人。
臆病者な僕が選んだのは、少しでも成功する見込みのある要素が詰まった場所。
別に店側に過失があるわけではないが、偶然にも望んでいた条件と一致していた。
それだけの理由で、この店を選んだ。
クローゼットの中で一年以上眠っていたダウンジャケット。
スキー用の帽子。グローブ。サングラス。
全て引っ張り出す。
当日の行動を思いつく限り脳内の原稿用紙に留めては、何度も推敲する。
都合の良い展開が仕上がる度に、含み笑いが漏れる。
このとき既に、「タメライ」の四文字は、脳内から抹消されていた。
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